Research

研究紹介

研究の背景

素粒子の標準模型は、1967 年のワインバーグの論文により現在の形に書き下され、2012 年のヒッグス粒子の発見により完成しました。特殊相対論と量子力学を止揚した「場の量子論」の言葉で書かれた標準模型は、電磁気力・弱い力・強い力の 3 つを理論的に不可分な形で統一的に記述します。

しかし、残る 1 つの力である重力の量子論をどう矛盾なく構築するかは、過去 1 世紀以上にわたって人類最大の謎のひとつでありつづけています。超弦理論は量子重力をある種の極限として含むと期待される有力な理論ですが、第一次・第二次超弦革命を経てもなお量子重力の究極理論への道は遠い。

主な研究テーマ

標準模型の臨界性・ヒッグスインフレーション

ヒッグス場の自己結合定数がプランクスケール付近でほぼゼロに近いという「臨界性」は、宇宙初期のインフレーションやダークマター、物質・反物質非対称性の起源と結びついています。

量子重力

ローレンツ対称性の隠れた局所化から重力が動的に emerge する機構、および周辺領域。

波束形式の場の量子論

粒子描像をより精密にする 3 次元ガウス波束形式、ニュートリノ振動におけるデコヒーレンスなど。

量子基礎論

量子力学の基礎的な問題に関する分野。特にわれわれは不確定性関係、量子測定、量子力学における時間などを研究している。

機械学習

深層学習・生成モデル等の物理への応用、および物理由来の視点からの機械学習研究。

宇宙物理学

ダークマター、宇宙論、コンパクト天体など、宇宙物理の幅広いトピック。

格子場の量子論

非摂動的な場の量子論の数値計算アプローチ。格子 QCD など。

QCD 真空の 3 次元等高面アニメーション
QCD 真空がゆらいでいるようすの視覚化
https://github.com/akio-tomiya/VisualizingLQCD.jl

かつての研究テーマ

加速器ブラックホール生成

回転するブラックホールの将来型コライダーでの生成に関する研究(2003–2006)。

ワープ空間中のウィルソン線とゲージ・ヒッグス統一

動的電弱対称性の破れに関する研究(2005–2008)。

ニュートリノ質量と大統一理論

クォーク・レプトン統一とニュートリノ質量の関係(1999–2000)。

AdS/CFT 対応とクォーク・グルーオン・プラズマ

Bjorken フローのホログラフィック双対(2009)。

普遍的余剰次元

ヒッグス発見後の Universal Extra Dimensions 模型の探究(2013)。

論文

科研費一覧

尾田 欣也富谷 昭夫