宇宙線ミューオンイメージングによるクフ王ピラミッドの新空間の発見
宇宙線ミューオンが持つ物質に対する高い透過力を利用することで、最大数kmの厚さの物体内部の積算密度分布を可視化する「宇宙線ミューオンイメージング」の開発を進めている。2015年にScanPyramidsプロジェクトを立ち上げ、この技術を用いてエジプトのクフ王ピラミッドの未知の内部構造探査を進めてきた。2016年にはピラミッドの北面背後に通路状の空間を発見し、2017年にはピラミッドの中心部に巨大な空間を発見した。その後、宇宙線ミューオンイメージングによる追加観測により、通路状の空間の詳細な位置と形状を推定し、2023年にはファイバースコープを用いて4500年前の状態を保った通路状の空間の撮影に初めて成功した。本講演では、宇宙線ミューオンイメージングの手法や、それを用いてどのように空間が発見されたかについて紹介し、さらに今後の展開についても述べる。